No.272
2020年5月 植木 圭二
■イグアスの滝 イグアスの滝の構造を簡単に説明しますと、アルゼンチンとブラジルの国境を流れるイグアス川の川床に段差ができてそこが滝になっています。段差を上からみると左右で長さの違うV字型をしており、大小275本の滝からなる滝の集合体で、横の長さ全部で約4kmもあります。 その最深部が「悪魔の喉笛」と呼ばれる滝で、そこから両側に滝が広がっていて長い方がアルゼンチンで短い方がブラジルなので、滝全体の8割はアルゼンチン側にあります。
北米にあるナイアガラの滝の幅はアメリカ滝260mとカナダ滝670m合わせても1km程ですので、かつて元アメリカ大統領夫人がイグアスの滝を見て「かわいそうな私のナイアガラ」と言ったそうです。
■アルゼンチンの国立公園 イグアスの滝はアルゼンチンもブラジルも別々に世界自然遺産に登録されており、どちらの国も国立公園になっています。私たちはアルゼンチンの国立公園に入り、広々とした緑が生い茂る公園からトロッコ列車に乗り変えて滝を目指します。 トロッコ列車を降り遊歩道を歩きますが、遊歩道は大部分が橋になっており滝の上の浅瀬の部分を上から見ながらの散歩になります。
【アルゼンチン国立公園内 トロッコ列車】
■悪魔の喉笛 遊歩道を歩き、悪魔の喉笛に向かいます。歩くこと約30分、その悪魔の喉笛の水しぶきが見えてきます。 悪魔の喉笛はイグアスの滝の中でも最大で、高さ82m、幅150mのU字型をしており、U字の部分の長さは700mもあります。 悪魔の喉笛のすぐ上にある展望台に到着すると、滝壺に落ちる水量豊かな水がしぶきになって風に乗って襲ってきます。すぐに服もカメラも水しぶきで大変です。
■ブラジル滝 アルゼンチン側の遊歩道は滝の上の部分にあり、ブラジル側の遊歩道は滝の下の部分に作られているのでブラジル側は滝を下から臨むため迫力を感じます。私は個人的にはブラジル側からの滝見がお勧めです。 遊歩道をイグアスの滝の奥に向かって歩いているので徐々に悪魔の喉笛が近づいており、まだ結構距離があるのに水しぶきから生じるミストが涼しさをもたらしてくれます。夏の暑さと日差しにあってありがたいミストです。
■ヘリコプター遊覧 ヘリコプターで上空からイグアスの滝を見ます。実は私にとってヘリコプターに乗ることは人生初体験です。 ヘリは離陸して5分程で滝の上空に到達し、悠々と流れる水量豊富なイグアス川に白い水しぶきをあげているイグアスの滝が見えてきます。 一番奥が悪魔の喉笛でその右がアルゼンチンの滝、左がブラジルの滝。滝の全景はこんな形だったのかと興奮しながら覗き込み、私たちが乗った滝に突っ込むボートも見えます。 悪魔の喉笛の水しぶきの部分だけに虹がかかっています。水しぶきをあびたアルゼンチン側の展望台も見えます。上空から見る悪魔の喉笛の滝壺は荒れ狂う水で底知れぬ恐ろしさを感じ、まさしく悪魔の喉笛だと。この名前を付けた人に敬意を表したい気持ちになります。
尚、この詳細は「旅のチカラ研究所」のホームページの中で旅行記「南米の旅2020」として公開しています。是非ご覧ください。
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