平成29年12月
市橋 淳熙
第12回 今月の課題

「紅葉を色鮮やかに美しく撮る」

  日本の秋、紅葉したカエデ、ナナカマド、ダケカンバ、白樺、唐松、など色鮮やかに彩られる秋の風景、印象的に秋を表現するには紅葉の撮り方をマスターしたい、

 基本的には、光の通しやすい紅葉は、透過光が色を良く出しやすい、 美しい紅葉の風景が目に飛び込んで来ると、青空も入れたい、山も入れたい、岩も 入れたいどんどん多くの被写体が重なって「幕の内弁当」状になり、インパクトの無い写真になってしまう、

 主役になる被写体を意識したら、構図を決めて、大胆なアングルで被写体を別なイメージで表現出来ないか工夫を試みてみる。撮影者の個性を発揮し上手く引き出した作品にしたいものです。
それには光線の使い方を考えて撮る、「透過光」「逆光」「斜光」「順光」の四つ、

・「透過光」で撮る、色付いた葉の表情を生き生きと裏側より葉脈がでている様な撮し方で、背景に木漏れ日を散りばめた優しい雰囲気で撮ってみる、

・「逆光」で撮る、紅葉の輝きと後からの光で葉の輪郭がしっかりと表現出来るので葉自体が陰になりやすい、
 そこでカメラの露出設定をプラス側に補正をかけて撮る、

・斜光で撮る、斜光は“光と影”を意識した撮り方の時に進める光の利用方法、
 この場合は、意図的に露出をマイナス補正で陰の印象を強くする、(コントラストを出す)

・順光(フラット光)で撮る、 天候の悪い時、雨の時、被写体の陰影が少なく、画面が平面的に成りやすい、
 被写体自体の色をはっきりと色濃く表現したいときに適した光の使い方、しっとり感を出すのに適した使い方、

その他、随所に「PLフィルター(偏光)」を使って、葉のテカリ等を調整して画面に工夫を加えて印象深い作品にして下さい。

 

第12回、課題「紅葉を色鮮やかに美しく撮る」

第35回勉強会を南足柄「大雄山、最乗寺」に紅葉を撮影目的に、11月13日に実施しました。

今月の担当メンバー 「塚本 善夫 さん」

課題作品「4点」目玉作品「4点」(塚本氏撮影)


「最乗寺」の紅葉を斜光で狙ったのですが、脇役に使った屋根の鬼瓦がボケすぎて

 その効果が出ていなくシャッターを切る前に「プレビュー」つまみを一寸押して確認をすれば良かった。

 

苔むした石灯籠と紅葉の組み合わせ、色の組み合わせも良かったが、天井が窮屈で

もう少し上下に余裕を持たせて安定した構図にすると良かった、(構図に注意)

 

この様な半逆光で背景も暗くして、落ち着いた紅葉に仕上げたのは良いが

これも画面が窮屈になっているのと、葉先部分を一寸空間を持たせて

余裕のある画面にすると更に雰囲気が倍加される。脇役も何か欲しい、

 

この画面も「幕の内弁当」、何もかも入れて、メインの料理は何か?

主題が紅葉か、玉芝か東屋か?撮影者の意図が分散されて、頂けない。

 

「塚本さんの「目玉作品」4点

額縁構図で紅葉前の楓を入れて、見る人の視線を遠近感で奥まで導いて行き

考えた構図で傑作に一枚(欲を言うと紅葉していると更に見栄えがした一作)

 

スローシャッターで滝狙い、一寸シャッタースピードが速いのか、水量のボリューム

が足りないのと脇役を何処にポイントを見せたいのか一寸不明、

 

手前の石段を平行に二段入れたので、画面が非常に安定感が出て、良い、

視線を奥行きの石段に誘導させて、中央の木立が紅葉していると申し分ない作品に成ると思う。

 

滝壺と苔むした岩、スローシャッターで滝壺のしぶきを拡散させて柔らかムード、

一輪の紅葉もポイントになり傑作の一枚、但し、一寸アンダー気味と構図が窮屈、

今回の作品、構図が窮屈なのとアングルに工夫を。

 
今月の参考作品「9点」     撮影者「市橋」

紅葉を背景に、鐘楼と賽銭箱、(一突きOO円、升)

苔むした石灯籠と落ち葉、背景に秋を感じさせる紅葉をボカして表現、

紅葉を背景に、甍と彫刻、


鐘楼と紅葉、
半逆光で屋根の鯱と紅葉、

「塚本作品と同じ被写体、構図を若干変えてゆとりと露出が一寸プラス目、
 
箱根、仙石原「長安寺」の紅葉、

脇役に紅葉で埋もれた屋根を、(周面の煙、大涌谷の噴煙)

石仏で有名な古刹、紅葉を愛でる石仏、
以上、撮影場所、小田原「最乗寺」箱根「長安寺」11月13日、17日、
 
以前の「同好カメラ塾」
 
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