平成29年10月
市橋 淳熙
今月の課題
第10回「ボケ味の追求」

 デジタル一眼レフの醍醐味と言えばやはりボケである、今回は、そのボケを得るためにはどの様なテクニックを使うかをメインの課題として取り組んでみたい。

  過去、第3回で「課題とボケ構図」、第7回で「被写界深度とボケ味」を取り上げましたが、
それらの説明を踏まえて、より具体的な使い方を三つの項目を中心に、取り組んでみたい。

●大きな前ボケで柔らかさを表現、

 前ボケを作る時は、絞りを開放近くで出来るだけ被写体に近づいて写す、
ペットの可愛さを引き出す時などでは前ボケを使う、顔の表情の前に前ボケに使う何かを置いてボカして三分の一程度先に被写体を位置させてピントを合わせる、柔らかい雰囲気が出せると思う。

●背景をボカして花だけをくっきりと表現、

 花をくっきりと写したいと絞って行くと、美しいボケが失われてしまう、絞りを開放にして設定したまま構図を考えて撮影距離で深度を調整しつつ花から少し離れて花全体にピントが合う距離を見つけられれば、ソフトなボケを活かしたまま撮せる。

●木漏れ日、水面の反射等を使って、丸ボケを作る、

 被写体の背景に木漏れ日や水面の反射のキラメキなど点光源が有る場合、その光がボケて玉状になる、その事を丸ボケ(玉ボケ)と言う。

 丸ボケを画面に入れると幻想的なイメージを生み出せる作品になる、丸ボケは絞りを開くほど大きくなる、丸ボケが大きくなると背景がうるさくなり、小さすぎるとキラメキ感が伝わりづらくなる、イメージに合わせた構図内に取り込んで見よう。

 

今月の作品担当「森 浩三さん」課題作品 3点、


彼岸花を真上からの撮影、普段あまり試みないアングルで、奇抜で面白いが

レンズの焦点深度が不適当で、背景までしっかり写ってしまい、ゴチャゴチャ感

を整理しないと、狙いとしての説得力に欠けてしまい残念。

 

この様に主役を若干中心をずらして撮ったのですが、天井がつかえて不安定な画面になってしまい、

花固有な姿を撮る場合は、その上を若干空間を作り 余裕のある構図にした方が良い。

 

玉ボケ狙いの良い作品であるが、画面の混雑さと配置に一工夫ほしい、

花の角を玉ボケの白い部分に浮き立たせるか、若干ボケ部分を割愛する位置取り

アングルを変えるなり、高度な配慮を念頭に撮って欲しい。

 
今月担当「森 浩三さん」 目玉作品、(4点)

白の彼岸花を主役にして赤を脇役を後ボケにして、背景を暗くして白を浮き立たせ、

主役の花の上方も適当に空間を空けており、落ち着きのある作品に成っている。

 

主役の赤彼岸花を左隅に配置して、

玉ボケを適当にあしらい趣の有る作品に成っている。

 

アゲハチョウが主役になっていて、背景を適当のボカシ、

動き回る蝶にピントもバッチリで傑作の一品。

 

玉ボケ崩れの水流を若干入れて、背景を潰して彼岸花を落ち着いた雰囲気で

右半分に入れて画面の安定度を増して良い作品に仕上がっている。

 
「当月の参考作品、」9枚、撮影者、市橋

彼岸花を下から、空に伸びる姿を狙い、前ボケに緑の葉を使ってソフトな単純な感じに構成してみました。


アゲハチョウと彼岸花、
 

後ボケで主役を日の丸でサイドに小花をあしらって構図の単純さを避けた作品、

 


ピンクの芙蓉と蕾を脇役にして、画面を構成、
 

ムクゲを木漏れ日の玉ボケの中に配置して柔らかさを表現、
 

背景を単純な玉ボケを使って空間を埋めて彼岸花を写した作品。
 

同じく、玉ボケの白色の中に彼岸花の角を強調、
 

玉ボケを小さい玉に(若干絞りを深めにする)して、夜空の星の雰囲気を狙った一枚。
 

秋の「萩」の季節、寺の境内を赤の萩が包み込む絶好の季節。
 

我々メンバーも、勉強会を30数回重ねてきますと、皆さん上達が早く作品選別も難しく、

凝ったアングルで挑戦されてくるので大変な時期になってきました。

次月担当は「橋本 唯一さん」 以前紹介した執念の作品の完成時期、お楽しみに。

 
以前の「同好カメラ塾」
 
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