平成29年9月
市橋 淳熙
今月の課題
第九回「光と露出補正」

 光の角度、強弱で陰影の出方や、色、露出など被写体の写り方やイメージが大きく変わる、光源と被写体の位置関係を効果的に活かした写し方をマスターすると上達も早い。

「基本は四つの光の向き」
 光の当たり方を理解して、陰影の付き方や光の反射の仕方がどう変わるか知っておくと良い、

  ①.順光、  被写体の正面からの光、順光は被写体の色をきれいに表現でき、
          背景をくっきり写せる、但し、立体感に欠ける、(一般的な写真向き)

  ②.逆光、  被写体の真後ろから当たる光の事、被写体は陰になってしまうが、
          被写体のふち部分は光を透視してくっきりする、光を通しやすい
          被写体を透かすのに最適、(紅葉とか、玉ボケを効果的に出す、)
          (露出補正が必要になる)

  ③.斜光(サイド光)  被写体の真横から当たる光、被写体の陰影が活きて明暗の
          はっきりした立体的なドラマチックな写真に成る。(補正必要)

  ④.半逆光、 被写体の斜め後ろからの光、サイド光同様陰による立体感を得られ
          るが陰の出方に差が出る、(露出補正必要) 

「標準露出と適正露出」
 デジタルカメラは、露出を「オート」で撮影すると、自動的にその場の明るさを判断して露出を決定してくれる、
これが「標準露出」、だが撮影者の意図までくみ取ってくれない、被写体の明るさによって思い描いた露出が得られない、

 その場合「露出補正機能」を使って調整する、 自分の意図する露出に補正機能をプラス、マイナス動かして補正をかける。これが「適正露出」。
(風景の青空、透し光で紅葉の色鮮やか、ハレーション防止、海の深み色、夕日等・・・・・)

 この様に、ケースバイケースで光と「露出補正機能」を使って、自分の意図する作品を撮って欲しい。
 (これとプラスして前回の課題「ホワイトバランス」機能で技量のアップを)

 

今月の作品担当は「塚本 善夫さん」課題作品5点


梅雨時の花「凌霄花」の撮り方も、逆光でしかも空を入れて撮ると花の色、葉の緑を出すのには、難しい露出値を選ばないと難しい、構図の取り方、カメラアングルでその辺を避けて、無難な構図を選ばれた方が、良いと思います。

 

これも8月の花「蓮」露出等、上手く撮れているのですが、日の丸的でしかも開花の盛りが過ぎた衰退期、中味をさらけ出して植物図鑑的になってしまい、見る人にも寄りますが、最も美しい時に撮ってやって欲しいと思います。

 

未央柳(ビヨウヤナギ)の撮り方は、特徴であるヒゲ状の雄しべこれを強調できるアングルでの構図が求められて、背景に蕾も見受けられるが、花の終わった殻も写っており、背景を整理して、雄しべが引き立つように、背景を暗くして、カメラ位置、構図をアレンジしてみて下さい

 
 「紫陽花のアナベルという種類でこんもりと白い花が咲く、それを狙ったのでは無く
逆にアナベルの群落の中で、シルエットにして見せる意欲作に取り組んだのですがもう一工夫、
その様な場合、背景の白いアナベルに露出を合わせて、手前のアナベルをシルエットにして
手前の花にピントを合わせてシャープに撮る、
この写真ですと露出が中途半端で、目的を満たしていなく、せっかくの意欲作も駄作になってしまっている、
再度挑戦してみて下さい。(面白い狙い)
 
せっかくのバラも、構図、露出、アングルとも良いのですが、素材が盛りを過ぎてくたぶれており、もったいない。
せっかく撮るのであれば、年に一回しか咲かない花ですので、最も美しい時に撮っやって欲しい、花が残念がる?
 
今月担当、塚本 善夫 さんの目玉作品、(5点)

蓮田の中の一コマ、これから開花を迎える一瞬と雨上がりの葉の上の水滴、
そこを葉の茎が交差して、水面の黒がそれらを引き立たせており、見事な構図、
(これが、花が逆を向いていると駄作になってしまう、考えた一作)

 

蓮の花の可憐さを真横から、狙って、次に待つ蕾を脇役にした一作、
欲を言うと もう少し、上から、花の中を覗けられるようなカメラアングルだともっと良かった。

 

これも、「蓮田」の中の一コマ、朽ちた蓮の葉の上に乗った子亀と散ったハスの花片
どちらも、一仕事終わった物どおしを組み合わせた面白いコラボレーション、
この花片が無いと駄作に分類されてしまう。

 
一寸作品としては、物足りない感もするが、構図としては纏まっており、
一寸薄いが、背景の玉ボケも好位置に配置されており、素材をもう少し
見栄えのする被写体にすれば、背景から浮き出したバラの作品として傑作に一枚に。
 
この赤いバラも(赤飛びもせず)丁度良い露出値で上手く撮れていると思うが
画面全体から見ると、ちょっと窮屈、思い切って右のバラを主役としてもう一寸 引いて、
画面に余裕を持たせて、三つの赤いバラを、遠近差を持たせて欲張らずに
構図の中にあしらったら良かったのでは無いかと思います。
 
「当月の参考作品」5点、撮影者、 市橋、

雨続きの今年の夏、やっと晴れた一日を真夏の雰囲気を表現しようと青空と向日葵白い雲


相模原、座間の向日葵畑、
 

主役は「蜂」、高速で動き回る蜂にピントを合わせるのが難しく、やっと撮れた一枚。

 


望遠での蜂狙い、動く脇役、難しい一枚です。
 

残暑が続きますが、いよいよ秋、秋の七草「女郎花」(おみなえし)と蝶、
 

次月担当は「森 浩三さん」の作品を予定、乞うご期待。

 
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