平成29年4月
市橋 淳熙
「同好カメラ塾」第四回、(今月担当メンバー、橋本 唯一さん )
今月の課題「動く脇役と構図」

 これからの春爛漫の季節に向かって「花」を写す機会が多くなる。

 花の撮影構図には、一つの「コツ」が有る、ただ、美しい花を正面より撮るのではなく、作品の中に、「主役の花」とそれを引き立たせる「脇役」を必ず作る。花を並べて平凡に撮るだけでなく、要するに主役と脇役を対比させてバランス取るだけで、引き立ち主役の花も、見栄えと印象も深まる。(視線を脇役に向けさせて主役を見させる)

 主役は「花」だが、脇役に花以外のいろいろなものを使える。この様な課題への取り組みに、今回は花の身近に居る「昆虫」を使う試みに挑戦。昆虫を使う時のポイントは高速シャッターで昆虫の動きを止めて、構図のポイント位置配置する努力、動く脇役と構図との葛藤、かなり難易度が要求されて、面白味も倍加。当然、「主役」の花、此方も描写の表現に注視しつつシャッターを切る、配慮は万全に。

「4月度担当、橋本さんの目玉作品、2点」

雨上がりの「バラ園」での力作、柔らかい光の中、雨の水滴をモチーフとして
暗い背景をボカシて主役を引き立たせた構図とセッティング、見事な一作。

(欲を言うと、花を日の丸構図に成らない程度に上方をもう少し空けて
余裕を持たせる配置にしたら安定度が一段と増すと思います)

この赤いバラも、雨上がりの柔らかい光線の下で脇役に蕾も入れて主役を引き立たせて、
暗い背景の中に赤いバラをぼんやりと浮き立たせて、ムードを出しており傑作の一枚。
(赤は色飽和になり勝ち、良く押さえ気味に色合いが出ています)

これも、思わぬアングルを見つけて水滴に主役の「チューリップ」を映し出し
大変凝ったマクロでの力作、(かなり上達した描写力と構図)

このアングルも、チューリップの花を上部を大胆にカットして、チューリップの
花を想像で表現させる、撮影テクニックの手法を使う、力作の一枚。

 
今月の課題「動く脇役と構図」,橋本氏作品、3点

 「芙蓉に集うミツバチ」ピント、露出、絞り、構図、良好、主役の花の向きも咲いている方向を空けて、基本に忠実、背景ボカシも良く、主役を浮き立たせている脇役のハチの位置も、まず、何かなあと思わせる位置に配置して、良いが、欲を言うとハチの羽根を止めるような、高速シャッターで撮れるとベター。

 黄花コスモスに止まった「シジミチョウ」相手が動くので咄嗟なシャッターと思われるが、構図的にはもう少し右側に配置して、カメラはもう少し花の正面が撮せるような右上方向からのアングルにしたかった。

 この彼岸花に止まった「ナミアゲハ」この様な場合、私もそうだが、チャンスと思い、どうしても「ナミアゲハ」の動きに惑あわされて真ん中に持って行ってしまう、すると「主役」は蝶なのか、彼岸花なのかを見る方に、どちらかを表現に迷いが生じてしまう。
 この様に、昆虫の脇役は動かない「花」を撮るのと違い、難しい「構図」選びに成り、常に冷静さが、要求される。

 
「課題作」の参考作品、{市橋作品」3枚、
 
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