会員便り

旧ユーゴスラビア紀行(3)

2019年1月
植木 圭二

   アドリア海を挟んでイタリア半島の対岸にあるスロベニア、セルビア、クロアチア、ボスニアヘルツェゴビナ、モンテネグロの旧ユーゴスラビアの5カ国に行ってきました。どの国も自然の美と昔のヨーロッパの面影を色濃く残すと共に、残念ながら近年の内戦の傷跡も残していました。
今回は、日本ではあまり馴染みがないスロベニアとモンテネグロを紹介します。
 

■ポストイナ鍾乳洞

 スロベニアには地球が造った石灰岩の芸術作品のポストイナ鍾乳洞があります。ヨーロッパ最大で、全長は27kmでその1/5が公開されています。

 鍾乳洞に入ると次から次へと未知なる空間が現れて、見事なまでの自然の造形美に驚くばかりです。写真もその一つで、もはやこの世のものとは思えません。天井まで30mほど、幅も奥行きも50mほどの大きな空間に山があり、大小様々な鍾乳石が下からも上からも延びています。

 
 

 このような空間が延々と続きます。

 後ろを歩く韓国人のおじさんが大きな声で「オオッー!」と感嘆のため息のようなものを発しています。ため息を通り越して吠えているかのようです。それが洞窟の壁に響いて更に異様な雰囲気を演出してくれます。驚き感激する気持ちは充分に理解できるものです。それは綺麗で神秘的というのもありますが、何よりも圧倒的なスケールからだと思います。

 鍾乳石は石灰岩を含んだ地下水が天井から垂れ下がり成長します。重いものは下に落ちて積み重なって成長します。それは含有成分よって異なり、色合いも違ってきます。

 ポストイナ鍾乳洞は規模も大きいですが、ブリリアントと呼ばれる見事な白い鍾乳石が特徴でもあります。ブリリアントのすぐ隣に茶色の鍾乳石が並んでいます。全く成分が異なる石灰岩がすぐ近くに存在するということです。

 
   地底探検の終着点はとても大きな空間で近代的な売店やトイレもあります。高さ20mくらいあるクリスマスツリーが青い照明で輝いており、鍾乳洞の中とは思えません。
 



  鍾乳洞内の温度は8℃、一年中変わらないといいます。外に出ると雪が降っていました。
 

■ブレッド湖

 スロベニアの北部の高原にブレッド湖があります。周囲6km楕円形の湖で、湖面から高さ100m断崖絶壁の上にブレッド城があります。波のない湖面に城が映り神秘的な雰囲気を感じます。

 
 

 湖の中に小さな島がありますが、この島がスロベニア雄一の島ということです。

私たちは手漕ぎボートに乗ってその島を目指します。ボートは非常にゆっくりと進み、この街の時間がゆっくり流れているかのようです。

 
   船着き場から階段をちょうど100段登ったところに教会があります。この教会で結婚式をあげるカップルには、100段の階段を新郎が新婦を抱きかかえて登るという儀式があります。だからこの教会で結婚式をあげることが決まったカップルが最初にすることは新婦がダイエット、新郎が筋トレに励むということです。
 

  ■海洋都市コトル

 モンテネグロのコトルは海洋都市です。旧市街地が城壁に囲まれて、前に海、後ろに断崖絶壁の山、その山の中腹位まで城壁があります。山の上から外敵の侵入があったという証拠です。

 城壁の修復はあまりしておらず昔のままという感じですが、趣があって良いかもしれません。
 
 
  ■超ロングビール

 おまけの話ですが、ビアレストランで地元のお客が飲んでいた高さ1mくらいある超ロングビールジョッキが目に留まり、私たちも注文してみました。通常の大ジョッキ4杯分くらいで価格も4倍くらい、日本円で約1600円でした。

 運ばれてきてから分かったことはジョッキではなくビールサーバで、下の台の部分には蛇口があります。

 インスタ映えをねらって日本人客が写真を撮りに集まってきて、その写真騒動が終わってからビールを注いで飲みましたが、格別な味です。やはり視覚が味覚を助長するようです。
 
   
 

 これらの詳細な旅行記は旅のチカラ研究所のHPに公開しています。是非ご覧ください。

   
 
 

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