会員便り

旧ユーゴスラビア紀行(1)

2019年1月
植木 圭二

   アドリア海を挟んでイタリア半島の対岸にあるスロベニア、セルビア、クロアチア、ボスニアヘルツェゴビナ、モンテネグロの旧ユーゴスラビアの5カ国に行ってきました。どの国も自然の美と昔のヨーロッパの面影を色濃く残すと共に、残念ながら近年の内戦の傷跡も残していました。

今回は、その中でも旅行者から人気が高いクロアチアを紹介します。
   
 

■アドリア海の真珠

 アドリア海に面したクロアチアの最南端にかつて繁栄を誇った都市国家のドブロブニクがあります。「アドリア海の真珠」とも呼ばれて「ドブロブエクを見ずして天国を語ることなかれ」という名言まで生まれました。
海と山の間に分厚い城壁に囲まれた旧市街があり、城壁の周囲は約2km程です。
城壁に登るには約2700円を払いましたが、城壁に登るだけでそれは高いと思いながらも、直ぐにその思いは吹き飛んでしまいました。

 そこには青空のもとに美しい街が海と山に囲まれて存在しており、ざっと街を見渡すと建物の屋根のオレンジ色、建物の壁のクリーム色、石畳の白と様々な色が見事に調和して、私たちの目の前に広がっています。海はもちろんアドリア海で、太陽に照らされてキラキラ輝いています。

 
 
 
 

 ドブロブニクには小さな港があり、遊覧船が出ていて隣にあるロクルム島を回って帰って来るという約1時間の船旅をしました。

 ロクルム島は無人島ですが夏は海水浴客で賑わうといいます。島の反対側はヌーディストビーチがあり、船で近づきましたが残念ながらヌーディストたちは冬訪れないようです。

 船からはドブロブニクの城壁の外にある検疫所を見ることもできます。船で運ばれてくるのは貿易品だけではなく疫病が最も怖いもので、これを防ぐためにここにやって来た船乗り全員を検疫所に40日間隔離したということです。それで伝染病の潜伏期間はカバーできるからです。

 
   日本からの飛行機の中で、隣に居合わせたセルビア人に旧ユーゴスラビアの国々の観光地でお勧めは何処かと聞いてみたら、彼は自慢げにクロアチアのドブロブニクがいち押しだといいました。セルビア人の彼が隣国を勧めるとは驚きですが、景観も素晴らしく、何よりも歴史が素晴らしいと盛んに言っていました。この街を見終わって、彼の言葉に嘘はなかったと思います。
   
  ■スピリットを鐘楼から見る

 スピリットは人口20万人、クロアチアのアドリア海沿岸地帯最大の都市です。もちろん旧市街は城壁に守られて城壁の周囲が約1kmなので旧市街は簡単に見てまわることができます。

 この街はローマ帝国の皇帝ディオクレティアヌスの隠居の宮殿ができたことで始まり、そしてベネチア共和国に支配されたので街を歩くとローマとベネチアの両方を感じることができます。

 大聖堂に併設されている高さ約60mの鐘楼があり、そこに登るとスピリットの街を一望できます。赤茶色の瓦の屋根の家々がひしめき合って並んでいて反対側には海がすぐ近くまで迫って来ています。港の傍には鉄道の駅もあります。
 
   
 

■ザダルには円柱状の教会

 ザダルもこの街も長い歴史を持っています。ローマ帝国による支配そしてベネチア共和国にも支配されました。その中で9世紀、つまりその2つの時代の中間にできた聖ドナト教会は円柱状の建物です。教会というのは四角いもので、上空から見たら十字架の形になっているのがほとんどです。このように丸い形は実に貴重なものです。

 
   
 

■プリトヴィッツエ国立公園

 プリトヴィッツエ国立公園は石灰岩によって独特の地形やエメラルドグリーンの湖を作り出しています。クロアチアの観光パンフレットにはここの写真が多く使われていて、とても有名な場所です。公園は琵琶湖の半分ぐらいもある広さで大小合わせて16の湖と92の滝があります。標高640mから500mまでの高低差を水平方向に8kmにも渡って湖群とそれを繋ぐ川や滝でできています。

 
 

 遊歩道から見る湖の色はエメラルドグリーン、陽が当たるとその濃さが更に増します。冬なので水量や太陽光の角度などでパンフレットにあるような濃いエメラルドグリーンにはなっていませんが、それでも充分に素晴らしいものです。この入浴剤を入れたような見事な輝きは湖底の石灰岩の作用だそうです。これは地球が造った芸術品です。

 少し雪が残る木道を歩いてこの公園で一番大きな湖にある船着き場に着き、ここから小さな船に乗って湖の長手方向の対岸を目指します。

 湖に落ちる大小様々な滝を見ながらの航行は心が洗われるような気持にさせてくれます。ピンと張りつめた寒い朝の空気と、透明度の高い冷たい湖の静寂の湖面を私たちの乗った船だけがゆっくりと進んで大自然に同化しながら時間だけが過ぎていく感じです。

 
   
 

 これらの詳細な旅行記は旅のチカラ研究所のHPに公開しています。是非ご覧ください。

   
 
 

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